エニアック


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今、明らかにされる世界最初のコンピュータ 「エニアック」の誕生秘話。

「ノイマン、お前だけは許せない!」

ENIAC(エニアック)真の開発者エッカートとモークリーを襲った悲劇の連続。
世界最初のコンピュータ開発の名誉はすべて科学者ノイマンに独り占めされ、二人はその陰ですべてを失っていく。
現代を動かすコンピュータの開発の裏にあったのは、 まるで映画のような、渦巻く人間ドラマだった――。

一般にジョン・フォン・ノイマンが「コンピュータの父」と呼ばれるが、実は彼は本当の「父」ではない。
その栄誉は、世界初のデジタル式汎用電子計算機を設計・製作した二人の男、ジョン・モークリーとプレスパー・エッカートに贈られるべきであろう。
モークリーとエッカートは、ペンシルヴェニア大学ムーア・スクールで出会い、「汎用電子計算機(コンピュータ)」という画期的な構想を生みだすが、同僚や上司たちからはまったく相手にされなかった。だが時は第二次世界大戦、戦況が悪化する中、ふとしたことからアメリカ陸軍に見出され、資金援助を受けることになる。二人の率いた開発チームが、技術的なハードルやあらゆるトラブルを克服し、作りあげたのが、床面積1800平方フィート、重量30トン、約18000本の真空管を使用した巨大なコンピュータ「ENIAC(エニアック)」だった。

のべ20万人時間の労働力と486,804.22ドルの経費を費やして完成したENIACは、20台のアキュムレータをはじめとする40のユニットから成り、当時利用されていた卓上計算機器で20時間、微分解析機で15分かかる弾道計算をわずか30秒で計算することができたのだった。
今日では、その全処理能力は小さなピン程度の大きさの集積回路に収まってしまうが、もし、ENIACがなければ、現在に至る技術革新は起こらなかったかもしれない。
だが、その偉業が達成された後、開発チームは空中分解し、二人は軍事でも科学でもなく生活にかかわる商業でのコンピュータ活用をめざして世界初のコンピュータ・メーカーを設立する。
華々しい未来が開けているかのようにみえた二人に個人的な悲劇が襲いかかる。そして追い打ちをかけるようにして専門家としての挫折に見舞われていくのだった。

モークリーとエッカートが技術的な困難を乗り越えて伝説的なマシン「ENIAC」を生み出すまでの3年間の開発競争と、
「世界初の汎用電子コンピュータ」という輝かしい成功の陰に埋もれてしまった二人をめぐる人間ドラマを描く。

【目次紹介】(★は無料でお読みいただけます)
口絵
目次★
はじめに 思考する人間のゲーム★
第1章 先駆者たち
第2章 少年と夢想家
第3章 着実な前進
第4章 仕事にかかる
第5章 五掛ける一〇〇〇は?
第6章 結局、誰のマシンだったのか
第7章 二人きりの再出発
第8章 結局、誰のアイデアだったのか
エピローグ あまりにも多くのものが奪われた
原注
謝辞
訳者あとがき
参考文献
索引

※本書は、以下の書籍のiPadアプリ版です。
書名:エニアック
副題:世界最初のコンピュータ開発秘話
著者:スコット・マッカートニー
訳者:日暮 雅通
定価 1,995 円 ( 本体価格 1,900 円)
ISBN 978-4-89362-183-2
仕様:四六判 並製
頁数:296ページ(口絵 6ページ)
2001年7月 発売